はじめに
長時間スマホやPCを使っていると、目が疲れてしょぼしょぼしたり、酷くなると瞼がけいれんしてしまったり・・・。
眼科医などが行った調査によると、75%以上の人が目の疲れを感じているそうです。
目の疲れとともに頭痛や肩こりを感じる方も多いと思います。
今回は目の疲れと肩こりの関係性について書いていきたいと思います。
肩こりの原因
肩こりの要因として良く挙げられるのが、首や肩まわりの筋肉の柔軟性の低下、いわゆる筋肉が硬くなってしまうという事です。
美容室で最後に肩回りのマッサージをされた際に「ガチガチですね」と言われてしまった方も多いのではないでしょうか?
ではなぜ首や肩まわりの筋肉が硬くなるのかというと、大きく関わるのは姿勢と血流です。
姿勢に関しては以前の腰痛のブログ(コチラ)にも書きましたが、どうしても現代社会の生活はPCやスマホなど画面に集中する事が多く、背中が丸くなり首が前に出てしまいがちです。
すると、頭の重さを支えるために首や肩まわりの筋肉の筋肉がとても頑張ります。
それが続くと筋肉も疲れてしまい、柔軟性が低下して硬くなってしまいます。
血流が悪くなることも大きな原因です。
筋肉は血液によって栄養や酸素を受け取ったり、老廃物を処理したりしています。
しかし長時間同じ姿勢で動かなかったりすると、筋肉が伸びたり縮んだりしないので血液が行きにくくなってしまいます。
血液が十分に行き届かないと筋肉は栄養不足や酸欠の状態になってしまい、柔軟性を低下させる要因となってしまうのです。
眼精疲労との関係性
実は眼精疲労と肩こりには大きな関係があります。
その原因となるのが自律神経と後頭下筋群です。
自律神経という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?
テレビや書籍などでも良く目にしますよね。
そもそも、自律神経とはどういうものなのでしょうか?
自律神経は、交感神経と副交感神経の総称です。
交感神経とは、人間が活動しているときに主に優位になる神経の事です。
心拍数を増大させたり血管を収縮させ血圧を上げ、身体を興奮させます。
車でいうとアクセルの様なイメージです。
運動や仕事をしているときは交感神経が優位になります。
それに対し副交感神経は、リラックスしているときに優位になる神経です。
血管を拡張させ血圧を下げ、呼吸が深く、ゆっくりになります。
内臓系が活発に働き、消化や吸収が促進されます。
車で言うとブレーキの役割です。
眼のピント調節は、レンズの役目である「水晶体」とその厚みを調整する「毛様体筋」で行われています。
この「毛様体筋」の伸び縮みを行う神経が自律神経なのです。
現代社会はストレス社会と言われるように、どうしても交感神経が優位になり、身体が疲れてしまっている方が多いです。
車でいうとアクセルばかり踏んで全然ブレーキが掛けられない状態ですので、自律神経のバランスが乱れてしまいます。
その結果目のピント調節を行う「毛様体筋」が上手く働くことが出来なくなり、目に疲れがどんどんと溜まっていきます。
その結果、脳で感じた不快感が肩や首、背中の筋肉を固く強張らせてしまい、最終的に肩こりが起こります。
さらに、焦点の合わない目で一生懸命物を見ようと前かがみになったり、頭をのけぞらせたり無理な姿勢を取ることも、肩こりを深刻化させてしまう原因になります。
もう一つの原因が、後頭下筋群です。
実は物を見ようと目を動かすときに、それに伴って首も動きます。
そのため、モニターが2つあったり、デスクの配置などによって筋肉のバランスに異常が出て来てしまいます。
また、首を動かさなくても目の動きに伴って働く筋肉があります。
後頭部と第1,第2頚椎の間にある小後頭直筋・大後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋で,いわゆる後頭下筋群と言われている筋群です。
これらの筋肉は頭蓋骨と頚椎を繋いでいます。
そのため、この後頭下筋群が過緊張状態になってしまうと,第1,第2頚椎といった頚椎の上の部分の動きが制限されてしまいます。
動きが制限されるとどうなるかですが,脊椎全般に通じるところでどこかの動きが悪いと他の部分でカバーします。つまり,頚椎の上の部分が動きにくいとなると下の部分でカバーします。そうすると下の頚椎にかかる負荷が大きくなったり、首をささえる周りの筋肉に大きな負担がかかってしまいます。
予防と対策
・画面見るときはこまめに休憩をはさむ
長時間集中して画面を見続けていると、姿勢も悪くなりますし目に大きな負担がかかってしまいます。
こまめに休憩をとり、画面から目を離して少し歩き回ったりすると筋肉も伸び縮みして血流も良くなります。
気分転換にもなるので、結果的に集中力も上がります。
・画面の明るさを調整する
明るすぎる画面は目に大きな負担となります。
暗すぎて良く見えないと画面に集中しすぎて目が疲れてしまいますので、まぶしいと感じない程度に照明を調整することも大切です。
もちろん、周囲の明るさとも関係するので、状況に合わせて柔軟に変えてみてください。
・ホットタオルやホットアイマスクで目の血流を良くする
目の疲れやドライアイが強い時には、ホットタオルやホットアイマスクで血の巡りを良くしてあげる事も有効です。
リラックス効果もあり、副交感神経も優位になります。
まとめ
今回は肩こりと目の関係性について書かせて頂きました。
私自身も視力が悪く、子供のころから眼鏡をかけているので目の疲れを自覚する事は多いです。
今回取り上げた「自律神経」と「血流」は肩こりだけでなく身体の様々な不調と密接に関係しています。
当院では、身体の歪みを整えて全身の血流を良くし、自律神経も整える整体をメインで行っております。
また、眼精疲労には目の周りや首への鍼灸治療も効果が期待できます。
眼精疲労や肩こりでお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談ください!
監修 柔道整復師・鍼灸師 苗村拓哉
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