【長時間のデスクワークと腰痛の関係とは?】

腰痛

はじめに

1日のデスクワークの平均時間が「6時間以上」の人が全体の56.7%、「8時間以上」の人が27.0%

今回は誰でも一度は経験のあるのではないでしょうか?
長時間のデスクワークによる腰痛について書かせて頂きます。

PCが普及し、現代ではデスクワークが主流となっています。
そして、デスクワーカーの殆どが長時間座って仕事をしています。

長時間座りっぱなしで仕事をする事は、実は身体にとても良くないのです。
この記事が少しでも皆様の健康向上に繋がれば幸いです。

なんで座りっぱなしだと腰が痛くなる?

長時間座りっぱなしで腰に鈍い痛みを感じる方は多いのではないでしょうか?
それは、腰回りの筋肉が硬くなってしまったり、血液の流れが悪くなってしまう事が原因です。

長時間PCで仕事をしていると、無意識のうちに画面に段々と集中していきます
その結果どんどん頭が身体より前に出て行ってしまい、いわゆる「猫背」の状態になってしまいます。
それにより首や肩を始めとした上半身の筋肉全体に大きな負担がかかってしまいます。

背中には腰の方まで繋がっている「広背筋」や「脊柱起立筋」があるため、結果的に腰痛に繋がってしまいます。

また、長時間座っているとつい足を組んでしまう方がいます。
すると必然的に下の足の側に体重が偏る事となり、身体が歪む原因となります。
体重がかかり圧迫されたお尻の筋肉も血流が悪くなり、硬くなってしまいます。
お尻の筋肉は股関節や足の動きと密接に関係しているため、これも腰痛の原因となります。

お尻や足の筋肉が硬くなると股関節の可動域(動かせる範囲)が狭くなってしまいます。
例えば前かがみをするときに、理想的には股関節からしっかりと曲げていく事です。
トレーニングのデッドリフトの動きですね。


股関節の可動域が狭くなるとこの動きを無意識に腰を中心に行ってしまいます。
その結果、腰の筋肉や椎間板(クッション)の負担が増えてしまいます。

また、足の筋肉が硬くなることによっても、同様に前かがみが股関節中心で行いにくくなり結果的に腰の負担が大きくなってしまいます。

このように腰の負担が大きくなることにより筋肉が緊張してしまったり、血流が悪くなることにより慢性的な腰痛を感じる様になってしまいます。

座りっぱなしの危険性

厚生労働省の調査によると、平日1日の座っている時間について「8~10時間未満」「10時間以上」と答えた人の割合はそれぞれ次のようになっています。

●「8~10時間未満」  男性12% 女性13%
●「10時間以上」  男性26% 女性20%


日本人が座って過ごす時間は、世界20か国の中で「最も長い」ということがわかっています。
専門家によると、日本ではデスクワークが多いことや、仕事の時間が長いことも要因だといいます。

長時間座りっぱなしでいる事で、血流低下や循環器疾患のリスクが上がり、死亡リスクが高くなるという論文が発表されています。
その論文では、日中の座っている時間が2時間増えるごとに死亡リスクが15%増えると言われています。

人間の筋肉の約70%は下半身に集中しています。
座りっぱなしだろお尻、太ももやふくらはぎなどの筋肉が長時間動かない状態になり、血流が悪くなることにより血圧が上がったり糖の代謝が悪くなったりしてしまいます。
そのため血糖値が上がり糖尿病になってしまったり、高血圧になり心臓疾患のリスクなどが高まります。
いわゆるメタボリックシンドローム、「生活習慣病」になりやすくなるという事です。

高血圧、肥満、糖尿病が重なると、結腸がんや乳がん、心血管疾患や脳卒中のリスクが高まり、死亡率が上がるのです。

この死亡率が上がる分岐点となる数字があります。
1日の中で座っている状態が「8時間以上」になると死亡率が上がるというデータがあります。

座った状態が1日4時間未満の人と比べた死亡率は、8時間以上11時間未満で1.15倍、11時間以上になると1.40倍になるという研究結果があるといいます。

いかに長時間座りっぱなしであることが危険な事であるかが良く分かります。

少しでもリスクを下げるためにも、30分~1時間に一度は立ち上がり、オフィス内を歩き回るなど少し身体を動かすことをオススメしています。

腰が痛くなりにくい座り方は?

デスクワーク中の姿勢で気を付けると良い事があります。

①背中と首をしっかりと伸ばし、腹筋にしっかりと力が入るようにする
②太ももと椅子の間に手の指が入るくらいの隙間を開け、圧力の逃げ場を作る
③足裏全体がしっかりと地面に接する様にする
④椅子に深く座り、背もたれで体幹を支える
⑤顎を引く

また、骨盤を立てるように意識して座ることも重要です。
背もたれに寄りかかりすぎると、骨盤が後ろに倒れてしまい背中や腰が丸まりやすくなってしまいます。
反対に、正しい意識を意識しすぎてしまうと背筋を伸ばそうとするあまり骨盤が前に倒れてしまい腰に反る力がかかり過ぎてしまうため注意が必要です。

ひじ掛けがあるのであれば腕をのせて上げる事により、腕の重みを減らすことが出来ます。
最近ではデスクワークの負担を減らすことが出来る商品が色々販売されているので、ご自身のデスク周りの環境に合わせて利用するのもとても良いと思います。

まとめ

デスクワークは現在の日本の働き方の主流であり、それは今後も続いていく事が予想されます。

今回のブログではデスクワークのリスクと注意する事を書かせて頂きましたが、オフィスや環境によってデスクや椅子も違うと思います。

個人事業主やフリーランスでもない限り環境を変える事は難しいと思います。
ですので、ぜひ座り方やこまめに身体を動かして少しでも腰痛や生活習慣病のリスクを回避してくださいね。

身体の歪みを整えてあげる事も重要です。
ぜひ当院にご相談ください。

監修 柔道整復師・鍼灸師 苗村拓哉

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