【肩こりは頭痛の原因となるって本当?】

肩こり

「肩が凝って辛い・・・。おまけに頭も痛い・・・。」
こんな経験をされたことがある方はとても多いと思います。
厚生労働省の調査によると、日本人の有訴者率(自覚症状を訴える人の割合)の
男性:2位・女性:1位は肩こりであることが分かっています。
肩こり症状は男性で1000人中57.2人、女性で1000人中113.8人が訴えているデータがあり、
もはや国民全体の悩みといっても過言ではないかもしれません。
今回は肩こりと頭痛の関係や、対処法について書かせて頂きました。

肩こりが原因で起こる頭痛とは?



ひとくちに頭痛と言っても、実は様々な種類があります。
一般的に広く認知されているのは、「緊張性頭痛」と「偏頭痛」です。
今回は、最も良くみられることが多い「緊張性頭痛」について解説させて頂きます。

緊張性頭痛は、その名の通り筋肉の緊張が原因となり起こる頭痛です。
一般的に「こり」と呼ばれるものです。
症状としては凄く強い痛みが出る事はあまり多くなく、じわじわと頭の周りを締め付けられるような痛みが続くことが多いです。

統計上は男性より女性に多く、40代が一番多いとされています。
ストレスを強く感じている方は筋肉の緊張が強くなりやすく、必然的に緊張性頭痛が出やすくなってしまっている方が多いです。

一度頭痛が出始めると長期間頭痛が痛みが続くケースもあり、痛み止めが比較的効果的な為、薬を日常的に飲んで過ごしている方もいます。

緊張性頭痛は生命に直接関わるものでは無いですが、長時間痛みが続くため仕事や日常生活に大きな影響を与えてしまいます。
患者様の中には、慢性的に頭痛に悩まされており、痛みが出る前にすぐに痛み止めの薬を飲んでしまう方もおられます。
生活の為にやむを得ず行う痛みのコントロールとしては有効かもしれませんが、長い目でみると身体にとっては良いはずがありません。

その場しのぎの対症療法に頼り過ぎず、根本の部分から治療することが大切です。

肩こりにはマッサージが効果的?



「この辛い肩こりをなんとかしたい・・・」
そう思った時に多くの方は、まずマッサージを連想すると思います。
肩揉み、肩たたきなどのイメージがあるからでしょうか?

実際に肩まわりをマッサージをする事によって、一時的に筋肉の血流が良くなり、柔らかくなってスッキリ感を得られます。
しかし、なぜ肩まわりの筋肉が硬くなってしまったのかを考えずに肩だけをマッサージしても、その効果は持っても数日であり、すぐに症状が戻ってしまいます。

私が過去に修行していた整骨院では1人あたりに使える治療時間が非常に短かったため、どうしても肩まわりの筋肉だけを揉みほぐすだけの事が多かったです。
その結果、多くの患者さんは治療直後には「軽くなった」「スッキリした気がする」と仰いますが、1週間も経たないうちに同じ症状を訴えて来院されることが殆どでした。

なぜこうなってしまうのでしょうか?
例えば、現代人はパソコンやスマホを1日中使っている方が多いです。
画面に集中すると無意識のうちに背中が丸まり首が前に出てしまい、頭の重さが肩まわりに思い切り負担となってしまいます。
成人の頭の重さは約4~6kgあり、姿勢がとても悪い人ではこれが27kgになるという恐ろしいデータも存在します。


この姿勢に対して何のアプローチもせずに、ただ肩まわりの筋肉をマッサージして一時的に柔らかくなっても、すぐに元に戻ってしまうのは想像して頂きやすいと思います。

肩こりを緩和するのに有効なツボは?

「肩こりが辛すぎるけど今日は仕事が遅くまであって・・・」
「頭痛がひどいけど子供のお迎えに行かないと・・・」
肩こりやそれに伴った頭痛の根本的な解決のためには、上に書いたように全身の治療が必要ではありますが、もちろんご自身で出来る対処法も沢山あります。
肩こりや頭痛に効果が期待できるツボをいくつかご紹介させて頂きます。


【肩井】
肩こりに対する代表的なツボです。
実際にこの部分に辛さを感じる方も多いのではないでしょうか。
ツボの位置は、首の骨の根元と肩先を結んだ線の中間あたりです。
マッサージだけでなく、鍼灸治療でも非常に良く使われるツボです。
やや弱めの力で5~10秒持続的に押します。


【手三里】
場所は、ひじを曲げた時にできるシワに人さし指をおき、手首側に向かって指3本。薬指があたっていてグーを握ると筋肉が盛り上がるところです。
比較的痛みを強く感じる部分なので、5~10秒持続的に押します。


【合谷】
肩こり以外の様々な症状に効果のある、いわゆる万能ツボです。
人差し指の骨の根元で際の部分にあります。
心地よく感じるくらいの強さで、じっくりと指圧します。

これらのツボは自分でも押しやすく、効果も期待できます。
指だけでなく、ボールペンの丸い方で押してあげたりすることも効果的です。
鋭かったり、強すぎる刺激は逆に筋肉を緊張させてしまいます。
自分が思うより軽めの刺激でも効果は期待できるので、軽めの刺激に留めてくださいね。

まとめ

今回は「肩こり」をテーマに書かせて頂きました。
患者様自身でセルフケア出来る事もありますが、限界があります。
そんな時は無理せず専門家にお任せください。

監修 鍼灸師・柔道整復師 苗村拓哉



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