【妊娠中に多い腰の痛みの原因と、その対処法について】

腰痛

○はじめに

「妊娠中にどんどん腰が痛くなってしまったが、どうしたら良いか分からない」

「お腹が大きくなってくるにつれて整骨院や整体に行きづらくなってきた」

「妊娠を理由に施術を断られてしまった」

以前働いていた職場では、妊婦さんからこのような声を良く頂戴しました。

特に初めて妊娠を経験されるお母様は、不安なことだらけで、頭を悩まされてお辛い気持ちをされると思います。

今回のブログでは、妊娠による身体の変化に伴う腰痛の関係性と、妊娠中でも行いやすい対処法についてブログを書かせて頂きました。

今回のブログが妊娠中の腰痛にお悩みの方のお役に立ちましたら幸いです。

○妊娠と腰痛との関係性

・ホルモンの作用によるもの

妊娠中は、身体の中で大きな変化が起こっています。

妊娠3ヶ月目くらいから、「リラクシン」というホルモンが分泌されます。

このホルモンの作用によって関節や靭帯が少しずつ緩み、骨盤の骨と骨との間が開いてきます。

赤ちゃんが通るために必要な身体の仕組みですが、骨盤の不安定性により腰痛につながることがあります。

・運動不足

妊娠中は、ほとんど全ての方が妊娠前に比べて運動量が低下します。

妊娠初期はつわりが酷くほとんど活動が出来ない方もおられますし、それが落ち着いてからも生活リズムが変わり、動かなくなる方が多いです。

運動不足により、血流が悪くなったり、筋肉の柔軟性が低下し、腰痛につながることがあります。

・急激な体重増加と姿勢

妊娠中、お腹が大きくなってくるに連れて、体重が増加します。

急激な体重の増加は、腰の筋肉や関節に大きな負担の増加を伴います。

また、お腹が大きくなることによる重心バランスの変化も影響します。

お腹が大きくなってくると、前に引っ張られるため、無意識に重心は後ろになっていきます。

すると、腰を反らすような力が加わり続け、腰の筋肉や関節に対し大きな負担となってしまいます。

・精神的な不安やストレス

出産というのは、とても大きな出来事です。

それだけに、どうしても不安に感じることも多いと思います。

不安やストレスは、交感神経を優位にし、身体を緊張状態にしてしまいます。

緊張状態が続くことで呼吸も浅くなり、身体は十分な酸素を取り込めなくなります。

この状態では筋肉も固まってしまうため、腰痛を引き起こしやすくなります。

○妊娠中でもできる対処法

妊娠中でも、出来ることは色々あります。

無理のない範囲で行うことが大切です。

・左右の膝倒しストレッチ

妊娠後期になり仰向けが出来ない場合を除き、行うことができるストレッチです。

①仰向けに寝て、膝を立てる

②大きく息を吸い、ゆっくりと吐きながら右側に膝を倒していく

③背中や腰が伸びるのを感じながら10秒間その姿勢をキープ

④ゆっくりと膝を戻し、反対も同様に行う

お腹に無理な力がかからないように、リラックスして行うようにしてください。

・内もものストレッチ

お腹に負担のかからない範囲で行える、内もものストレッチも腰痛対策として有効です。

①あぐらをく

②あぐらの状態から、足の角度をそのままに膝を伸ばす

③伸ばした足の方にゆっくりと上半身を倒していく

④太ももの内側が伸びるのを感じながら、その姿勢を20秒間キープする

内ももの筋肉の柔軟性は、分娩台に登る時などにも関わります。

ぜひ、取り組んでみてくださいね。

・リラックスする呼吸法

不安やストレスでリラックス出来ていない方には、腹式呼吸が効果的です。

腹式呼吸のやり方

①身体の力を抜いたまま、おへその下あたり(丹田)に手をあて、長くゆっくりと息を吐ききる。

②吐ききって下腹部が限界まで凹んだら、次は下腹部に空気を入れて膨らませるイメージで息を吸っていく。

③目一杯息を吸いこんだら、3秒ほど少し息を止めて、再び息を吐いていく。

腹式呼吸は場所を問わずに行うことができますし、呼吸が整うことで高いリラックス効果が期待できます。

・身体を温める

妊娠中はどうしても運動不足になりやすく、体内の血液循環も変わるため、血流が悪くなりがちです。

血流が悪くなると冷えやむくみに繋がり、筋肉が固くなることにより腰痛に繋がります。

そんな時には身体を温めてあげることが重要です。

あまり長湯をするとのぼせや立ちくらみの原因となるので、無理のない範囲で入浴をするようにしましょう。

また、浴室は転倒しやすいです。

1人だけの身体ではないので、十分ご注意くださいね。

○まとめ

今回のブログでは妊娠による腰痛の原因と、その対処法について書かせて頂きました。

妊娠、出産は生命の神秘です。

新しい命を生み出すことには大きなエネルギーが必要であり、沢山の心配や不安があると思います。

心と体は繋がっているため、身体の痛みが軽くなれば必ず心も軽くなります。

ぜひ今回のブログの対処法を行なって頂き、快適なマタニティライフをお過ごしください。

しかし、対処法を行なってもなかなか痛みが改善しない場合は、我慢をせずに専門の医療機関を医療機関を受診する様にしてください。

今回のブログが腰痛でお悩みの方のお役に立てましたら幸いです。

柔道整復師・鍼灸師 苗村拓哉

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