機内での腰痛の原因と影響
長時間のフライトでは、限られたスペースで座り続けることが腰痛の原因となります。
特に姿勢が悪くなることで腰椎に過剰な負担がかかり、筋肉の緊張や血行不良が起こりやすくなります。
また、座席の硬さやサポートの不足も、腰痛を引き起こす要因です。
国内旅行なら2~3時間程度のフライトですが、海外となると時間も長くなり、体にかかる負担も増加します。
今回のブログを読んで、少しでも快適な空の旅をお過ごしください。
座席選びのコツ
機内での腰痛対策には、座席選びが重要です。以下の点を考慮してください:
- 非常口座席や前方の席で足元のスペースを確保する。
私も夜行バスや新幹線に乗る機会が多いので良くわかるのですが、足を伸ばせるのと伸ばせないのでは身体の負担、ストレスのかかりかたに雲泥の差があります。
特に、前の座席の方がリクライニングを大きく倒した場合に足元にもスペースが無いと相当に窮屈な態勢を強いられます。
それを防ぐためにも、空いているのであれば足元に余裕のできる前に誰もいない席を確保しましょう。
お金はかかりますが、席のグレードをあげるのも有効です。 - 通路側の席を選んで、体を動かしやすくする。
窓側の席、真ん中の席はあまり自由に動くことが出来ません。
フライトが長時間になればなるほど定期的に立ち上がり少し歩き回る方が良いですが、隣の方に遠慮してしまいなかなか難しいと思います。
また、自由に動けない、トイレに行きにくいなどの精神的なストレスが増える可能性もあります。
こちらも可能であれば通路側の席を確保し、ゆとりある移動をオススメします。 - リクライニング機能を適切に利用して、腰のサポートを強化する。
椅子を最初の位置のまま長時間座っていると、かなり窮屈です。
倒せば倒すほど楽になる訳ではありませんが、少し倒して身体がリラックス出来る状態を作ってあげることは大切です。
後ろに人がいる場合は倒して良いかを確認し、迷惑とならない範囲でリクライニング機能を活用してリラックスすることが大切です。
効果的なストレッチや簡単な運動
フライト中にできる簡単なストレッチと運動を取り入れましょう
- 膝抱えストレッチ:片膝を胸に引き寄せ、腰の筋肉を伸ばす。
反動を使わないように注意し、ゆっくりと行いましょう。
腰の筋肉、お尻の筋肉を伸ばすことが出来ますし、股関節周りの組織の循環も良くなります。 - 足首回し:座ったまま足を反対側の足にのせ、足首を回す。
長時間座っているとどうしても足回りが固まってしまいます。
ビジネスでの主張であればスーツや革靴などフォーマルな服装が多いのでなおさらです。
足首を動かしてあげることによりふくらはぎの筋肉も伸び縮みしますし、むくみの防止になります。
屈は脱いだ状態で行う方が良いでしょう。 - 腰ひねりストレッチ:左右に体をひねり、腰をリラックス。
スペースに限りがあるので難しいとは思いますが、出来る範囲でやってみてください。
大きく息を吐きながらゆっくりと身体を捻り、背中や腰の筋肉を伸ばします。
一方向だけには行わず、必ず両方やることを心がけてください。
少し身体を前に倒した状態で左右に捻るのも違う部分が伸びるので有効です。
おすすめの腰痛対策グッズ
腰痛対策に役立つグッズを紹介します:
- 腰用クッション:腰の負担を和らげるクッション。
もともと備え付けの場合もありますが、ご自身で用意していくと安心です。
腰の反りが大きい方などは座席との間に隙間が出来てしまいます。
そこにクッションをあてることで、腰椎や腰回りの筋肉の負担を軽減できます。 - 腰サポーター:腰の安定を保つサポーター。
飛行機にのる直前にぎっくり腰などになってしまった場合には有効です。
基本的にサポーターは腰を固定するものなので、長時間動かないフライトではあまり必要性はありません。
ですが、サポーターを着けることにより腹圧が高まり腰の安定性が増すため、急性期の腰痛がある場合は着けても問題ありません。 - ネックピロー:首をサポートし、腰の姿勢をサポート。
腰痛の防止だけでなく首の痛みや肩こり防止にも役立ちます。
首の位置が安定しないと身体全体で無理な態勢をとってしまい、腰にも余計な負担がかかります。
ネックピローで首や頭が安定することにより、結果的に腰の負担も軽減されます。
最近は空気の出し入れでかさばらないものも多いので、ぜひ1つ携帯できると安心ですね。
正しい姿勢の保ち方
腰痛を防ぐためには、以下の姿勢を心がけましょう
- 背もたれにしっかり寄りかかる。
背中の上部分だけをつけて、ずり落ちそうな態勢で座ってしまっている方が多いです。
その態勢は腰に大きな負担となってしまうので、しっかりと深く腰掛けて背中全体を背もたれにつけるようにしましょう。 - 膝を90度に保ち、足を床につける。
フライトが長時間になってくると、つい足を組んでしまったりしてしまいがちです。
ずっと良い姿勢を保つのは難しいですが、定期的に姿勢を見直し正しましょう。 - 定期的に立ち上がり、軽い運動を行う。
30分~1時間に一回は立ち上がり、少し歩き回ると良いです。
お手洗いに行くのでも良いですし、座席の位置で立ったり座ったりを繰り返してあげるだけでも十分です。
隣の席の方に注意し、身体を動かしてあげてください。
水分補給の重要性
乾燥した機内では、筋肉の硬直や疲労を防ぐためにも水分補給が重要です。
気圧の低下により以下の症状を引き起こしやすくなります。
- 頭痛
- だるさ
- めまい
- むくみ
- 胃腸の不調
これらの症状は「低気圧不調」と呼ばれ、多くの人が経験しています。
水分補給の重要性は以下の通りです。
- 体内水分バランスの調整: 適切な水分摂取は、乱れた水分バランスを整えるのに役立ちます。
- 症状の緩和: 十分な水分補給は、頭痛やだるさなどの症状を軽減する可能性があります。
- 自律神経の安定: 水分バランスの乱れは自律神経にも影響するため、適切な水分補給は自律神経の安定にも寄与します。
アルコールやカフェインは避け、ミネラルウォーターをこまめに摂取しましょう。
トイレが近くなってしまうことを恐れて飲まない方が多いですが、気圧が低いためいつもより多めの水分を身体は欲しています。
長時間のフライト前後のセルフケア方法
フライト前後のケアも腰痛予防に効果的です。
フライト後はできるだけ早く体を動かすことが重要です。
- 空港内を歩くことから始めましょう。
手荷物受け取りエリアまで歩くことで、筋肉が温まり、背中や肩の痛みを軽減できます。 - 簡単なストレッチを行いましょう。首、肩、背中、脚など全身をゆっくりと伸ばします。
- 大股で歩く、立った状態で体をひねる、腕や脚を振るなどの軽い運動も効果的です。
これらの運動は、長時間同じ姿勢でいたことによる筋肉の凝りをほぐし、血行を促進します。
- お風呂で全身をリラックスさせる。
入浴には様々な効能があります。特に長時間のフライト後にはリカバリーとして有効です。
血流の改善
フライト中は長時間座位を保つため、血流が滞りがちです。入浴によって体が温まると、血管が拡張し、血流が改善されます。これにより、全身に血液が行き渡り、新陳代謝が活発になります。結果として、フライトによる疲労回復を促進します。
むくみの解消
長時間のフライトでは、特に下半身にむくみが生じやすくなります。入浴時の静水圧作用により、体の表面や皮膚下の血管に圧力がかかり、末端にたまった血液が心臓へと押し戻されます。これによって血流やリンパの流れが改善され、フライトで生じたむくみの解消が期待できます。
リラックス効果
フライトによる緊張や疲労は、入浴によって緩和されます。湯船につかると浮力作用により体重が軽くなり、関節や筋肉の緊張が緩みます。さらに、入浴によって副交感神経が優位になり、心身のリラックスが促進されます。これはフライト後のストレス解消や睡眠の質の向上にも繋がります。
清浄作用
フライト中は空調による乾燥や座席での長時間の滞在により、体が不快な状態になりがちです。入浴することで全身の毛穴が開き、余分な皮脂や汚れが流れ出ます。これにより、フライト後の身体をリフレッシュさせる効果があります。
乾燥の改善
機内の乾燥した空気により、肌や粘膜が乾燥しがちです。入浴時のお湯の蒸気は、鼻やのどなどの粘膜に湿り気を与え、乾燥を予防します。これは、フライト後の体調管理にも役立ちます。入浴はフライト後の身体的・精神的な回復を促進する効果的な方法です。ただし、個人の体調や時差ボケの状況に応じて、入浴の時間や温度を調整することが重要です。
鍼灸や整体治療の効果
フライト後の腰痛がひどい場合は、鍼灸や整体治療が効果的です。
長時間のフライトでは身体が歪んでしまったり、筋肉の柔軟性が低下します。
歪みを整えたり鍼灸治療を行うことで、全身の血流の改善が期待できます。
まとめ
機内での腰痛を防ぐためには、事前の準備とセルフケアが重要です。
長時間のフライトで腰に負担を感じる方は、当院での鍼灸や整体治療もぜひご検討ください。
それでは、良い空の旅を!
監修 柔道整復師・鍼灸師 苗村拓哉
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