【肩こりと呼吸や胸郭の関係性、自分で出来るセルフケアやストレッチ】

肩こり

◯はじめに

「肩がこるとなんだか息苦しい感じがする」

「なんだか呼吸が浅い気がする・・・」

多忙でストレスの多い現代社会では、そんなお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?

実はストレスが溜まる事により、呼吸が浅くなり肩こりが強まります。

今回のブログでは、ストレスと呼吸や肩こりの関係性、そこに大きく関わる胸郭について書かせていただきました。

日頃肩こりにお悩みの方や、しっかり呼吸ができていないな・・・と感じる方にぜひお読み頂けましたら幸いです。

◯ストレスと呼吸の関係性

仕事のストレスや人間関係のストレスなど、毎日が目まぐるしい現代社会ではストレスによって自律神経に大きな負担がかかります。

自律神経とは「交感神経」と「副交感神経」の総称で、その名の通り特に普段意識をしなくても体の機能を調整してくれる生きていくためには必要不可欠な神経の働きです。

例えば交感神経が優位になれば、心拍数や体温が上昇したりして体が興奮状態になります。

逆に副交感神経は体をリラックスさせる効果があり、内臓機能の働きを活発にします。

車で例えると交感神経がアクセルで、副交感神経がブレーキの役割を持ちます。

ストレスが溜まってくると、交感神経ばかりが優位になってしまい、副交感神経の働きが低下します。

ご想像いただきたいのですが、呼吸が早くて浅くなってしまうのは体が興奮している時とリラックスしている時のどちらでしょうか?

正解は、体が興奮している時です。

つまり、ストレスにより交感神経ばかりが頑張ってしまうと、呼吸は浅くなり、常にエンジンを回している状態のために非常に疲れやすくなってしまいます。

◯呼吸が浅くなるとどうなる?

呼吸が浅くなると、体に入ってくる酸素の量の減少と、二酸化炭素の排出が上手くいかなくなってしまいます。

体にとって酸素は必要不可欠であり、その供給が減少することは体にとって大きな負担となってしまいます。

酸素が少なくなれば、常に体は軽い酸欠のような状態となり、筋肉が固まったり神経の働きが低下したりしてしまいます。

さらに、体は酸素を多く取り入れようとするために交感神経が活発になり、呼吸が浅く、早くなるという負のループを引き起こしてしまいます。

◯呼吸と胸郭の関係性

胸郭というのは、肋骨や胸骨によって構成されたドームのようなものです。

肺や心臓などの生命維持に重要な臓器が収まっており、下には横隔膜が張っています。

呼吸によって肺が膨らんだり縮んだりすることに連動して、胸郭も動きます。

自律神経の問題も呼吸が浅くなる原因となりますが、胸郭の歪みや動きの悪さも呼吸を浅くしてしまうことがあります。

この写真は、胸郭を後ろから見た状態です。

背骨から左右の肋骨が前方に向かって走り、胸骨に繋がります。

例えば、背骨の歪みにより肋骨の動きが悪くなってしまうと、胸郭の動きも悪くなります。

すると深く息を吸おうとしても胸郭がしっかりと拡がってくれず、結果的に吸いきれない状態となり、呼吸が浅くなります。

◯呼吸や胸郭と肩こりの関係性

肩こりの原因は色々とありますが、呼吸の浅さは非常に大きく関係します。

呼吸が浅くなる事により、酸素の吸入量が減ってしまいます。

すると軽度の酸欠状態となり、柔軟性を失ってしまいます。

また、胸郭と首や肩周りは解剖学的に密接に関係しています。

背骨や肋骨と、肩甲骨や首は様々な筋肉で繋がっており、胸郭の動きが悪くなる事により首や肩甲骨周りの筋肉も硬くなり、肩こりの原因となります。

◯自分で出来るセルフケアやストレッチ

呼吸や胸郭の動きの悪さが原因の肩こりは、それらが改善する事により症状が楽になる可能性があります。

・体側ストレッチ

体側ストレッチは、肋骨から肩甲骨をつなぐ前鋸筋や、背中から腕までを繋ぐ広背筋などをしっかりと伸ばすことができるため、胸郭の動きの改善にとても効果的です。

①足を肩幅に開き、身体を安定させる

②バンザイをして、左右の手を組む

③そのままゆっくりと上体を横に倒す

④体の側面が伸びている感じを意識しながら、10〜20秒かけてゆっくりと行う

⑤同様に、反対側も行う

体側ストレッチでは、前鋸筋(左)と広背筋(右)をしっかりと伸ばすことが出来ます。

ぜひ取り組んでみてくださいね。

・リラックスできる呼吸法(腹式呼吸)

興奮した神経を落ち着けて、リラックスするには腹式呼吸が効果的です。

①身体の力を抜いたまま、おへその下あたり(丹田)に手をあて、長くゆっくりと息を吐ききる。

②吐ききって下腹部が限界まで凹んだら、次は下腹部に空気を入れて膨らませるイメージで息を吸っていく。

③目一杯息を吸いこんだら、3秒ほど少し息を止めて、再び息を吐いていく。

腹式呼吸は場所を問わずに行うことができますし、呼吸が整うことで高いリラックス効果が期待できます。

・肩甲骨回し

肩甲骨を動かすことにより、肩周りの筋肉を柔らかくする効果があります。

①イラストのように両肩に手を置く

②腕を前から後ろに10回ほど大きく回す

③次に、後ろから前に10回ほど大きく回す

腕だけでなく、肩甲骨を動かす事をイメージしながら行うことがとても大切です。

肩甲骨の柔軟性が高まる事により、胸郭も動きやすくなり、呼吸も深く吸えるようになります。

◯まとめ

今回のブログでは、肩こりと呼吸や胸郭の関係性について書かせていただきました。

今回のブログでは肩こりに焦点を当てましたが、胸郭の動きの悪さは腰痛や坐骨神経痛などとも関係する場合もあります。

今回ご紹介した対処法をぜひ実践していただき、症状の改善に繋がりましたらこの上ない喜びです。

しかし、継続して行ってもなかなか症状の改善が見られない場合もございます。

そのような時は無理に我慢をしすぎず、専門の医療機関へ受診する事をぜひご検討ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

柔道整復師・鍼灸師 苗村拓哉
〒158-0097
東京都世田谷区用賀3-13-5 シティコアータナアミ102
TEL:03-6641-7116 Mail:youga@naemura-acp.com

タイトルとURLをコピーしました